Fitter Happier

アメリカ駐在中のアラフォーサラリーマンです。陸マイラーを本格的に始めましたので、そのあたりの情報を中心に発信していきます。

日本の陸マイラーブログに対する違和感

アメリカの陸マイラー活動はシンプルで分かりやすいと思います。クレジットカードの圧倒的なサインアップボーナスにより、カードを作るだけで数万~10万マイルを一気に獲得することができるからです。

一方で、日本の陸マイラーブログを見ていると違和感を禁じ得ません。どう考えても真っ当な方法でそれほどのマイルを貯められる気がしないのです。特定のブログを非難する意図はありませんので、以下ではソースの明示や引用はせず、あくまで私個人から見た印象の一般論として述べます。

日本の陸マイラーブログの典型的な構成

日本の陸マイラーブログを読んでいてよく見かける構成が以下のようなものです。もちろんすべてがこうだとは言いません。

  1. 自分のエピソード紹介:「マイルを貯めるのは難しいと思っていませんか?でもこんな私でも1年間に21万マイルも貯められたんです!」「21万マイルあればこんなことができちゃいます!」等々
  2. マイラー活動に必須の「ソラチカルート」「LINEルート」等の紹介。いかにして還元率の高いルートを確保するかの説明にブログの大半のスペースを費やす
  3. ポイントの獲得手段として「ハピタス」「モッピー」等のポイントサイトを紹介。入会を促す

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違和感1:ソラチカルートのポイント交換レートなどたかが知れている

率直に言ってこの種のブログをあまり真剣には読んでいませんので、それほど詳しいわけでもありませんが、1ポイントが高々0.9マイルや1.0マイルに交換できることの何がすごいのでしょうか?2マイル、3マイルならばまだ分かりますが、この交換レートが他と比べて著しく高いわけでもありません。結局のところ21万マイル獲得するには毎月約2万ポイントを獲得しなければならないわけで、実際にはこちらのほうがハードルは高いはずなのです。ちなみにそんな私の日本のメインカードはSFC VISAですが、ポイント交換レートとしては特に不足を感じていません。

違和感2:肝心のポイント獲得方法についてはほとんど触れられていない

クレジットカードでは支出100円あたり1ポイントが付与される場合が多いと思います。これでは仮に毎月30万円をカード決済したとしても、獲得できるポイントは年間たったの36,000ポイントです。多くの陸マイラーブログでは、クレジットカードを支出によるポイント付与だけで大量のマイルを貯めることは現実的でないと指摘しており、私もその通りだと思います。

そこで陸マイラーブログではポイントサイトを使ったポイント獲得を薦めています。ところが、多くのブログでは、肝心の具体的なポイント獲得案件についてはほとんど触れられていないのです。比較的良心的なブログでは、「クレジットカード作成で10,000ポイント」とか、「外食モニター案件で1000ポイント獲得」などの例を挙げていることもあります。しかし、たかが10,000ポイント獲得のためにいったい何枚のクレジットカードを発行するというのでしょうか。また、特別美味しいわけでもない店に月に何回外食モニターに行くというのでしょうか。「25万以上のショッピングで4500ポイント」なども一見よさそうですが、25万円の支出に対する通常ポイント2500ポイントにプラス4500つくだけと思えば、実際には還元率は3%にも満たないのです。

結局、目的はアフィリエイト

日本の陸マイラーブログの多くが上記のような構成の記事を展開していることの理由はつまるところ、ソラチカカードとポイントサイトの入会を促し、ブロガー自身がアフィリエイトによるポイント獲得を狙っているからの一点に尽きるでしょう。大量のマイル獲得実績、マイルを使ったビジネスクラス旅行のエピソードで読者の関心を引き、ソラチカカードとポイントサイトへの入会までこぎつければ、ブロガー自身は今月も晴れて18,000マイルを手にできるわけです。しかし、入会したブログ読者も同じようにポイントを獲得できるわけではありません。

アメリカの陸マイラー活動はずっと健全

アメリカの陸マイラーはクレジットカードのサインアップボーナスで大量のポイントを獲得します。もちろん紹介制度や紹介者へのポイント付与もありますが、それは主たる獲得方法ではありません。私は今年の5月に発行したAMEXで既に24万ポイント(=ANAマイルで24万マイル相当)を獲得していますが、その間ねずみ講まがいのことは何もしていないのです。またサインアップボーナスにとどまらず、実際の支出に対してもカテゴリボーナスとして1ドル当たり2~5マイル相当のポイントがつくことも決して珍しくありません。

もちろん、アメリカ在住ではない人に向かって、だからアメリカで陸マイラーをやりなさいとは言えません。少しでも効率的にマイルを貯めたいと考え、上記のカラクリも理解した上でソラチカやポイントサイトに手を出している人はそれでよいと思います。しかし、もし今これを読んでいる貴方が、陸マイラーにちょっと興味を持ち始めているようならば、本当に手を出す価値があるのか一度冷静に考えてみるのもいいのではないでしょうか。